フットケア〜災害時の避難生活で気をつける足の疾患と予防法〜
こんにちは。
糖尿病相談員(CDEL)のstaff A です。
1月に能登半島地震、記憶に新しい7月の愛媛県の土砂災害など避難生活を送られて日々をお過ごしの方もいらっしゃいます。地震や災害はいつ起こるか分かりません。今回は災害時の避難生活を想定したフットケアの話を少しさせて頂きます。
避難生活では心身ともに疲弊し、慣れない環境で体を動かす機会が大きく減ってしまいます。長い時間、座ったままでいたり、動かないでいたりすると気を付けてほしいのが心部静脈血栓症です。深部静脈血栓症は足から心臓へと血液を戻す血管である静脈に血栓(血の塊)が出来てしまう病気です。
深部静脈血栓症は無症状の場合もありますが、足に最初の症状が表れる事が多いです。まず、片足全体やふくらはぎが赤く腫れて痛みが出ます。数日かけてゆっくりと進行することもあり、そのまま放置すると皮膚の色が悪くなり、潰瘍(傷)ができることもあります。
深部静脈血栓症の予防の為に散歩やラジオ体操を取り入れましょう。座っている時も足のつま先や足首を動かす運動をしましょう。足先から膝に向かってさすり上げるようにマッサージするのも予防になります。また、可能なら衣類はゆったりしたものを着用して、足を冷やさないよう靴下を履き、水分をこまめに補給することも忘れないようにして下さい。
※座って出来る運動
①足首まわし
②椅子に座り太ももを交互に上げる
③足関節の曲げ伸ばし
④椅子に座り膝を伸ばす
⑤足ゆびでグー・パー運動
避難生活では日用品や物資な不足が想定できます。特に糖尿病を持病にある方は手に入りやすもので足を清潔を保ち、足病変を防ぐ方法を知っておくのも大切です。
足に傷や汚れがないか、足ゆびの間、足裏を丁寧に観察します。たこやうおのめ、水虫が悪化していたり、皮膚が乾燥していないかも確認してくださいね。気が付かず切り傷やトゲが刺さっている場合があります。足に傷ができていたら小さくても悪化することがありますから、速やかに医療従事者に、伝えてください。
避難生活では、、ケガをしないように室内でも、靴下を履きましょう。足が浮腫んでいる場合は、靴下を裏返して履くと縫い目があたらず、圧迫で皮膚が傷つくのを予防できます。可能なら靴下のゴムが緩いものを着用してください。
また、靴を履くときは、必ず靴を振るってから履くようにして、靴の中の小石や、木くずでケガの予防をしてください。
災害時に備えて、日頃から必要なものをすぐに取り出せる場所に準備いたしましょう。(一部さかえから抜粋)